子供が運動をしなければいけない理由とは?
今日は子供が運動するとどれだけ良いことがあるかをお話します。
次の図を見て下さい。これはスキャモンの成長曲線と呼ばれるものです。
体の神経、筋肉、内臓などが各年齢でどのように発達していくかを示した有名な図です。
図の青い線が神経型と呼ばれるもので、リズム感や”運動神経”などの神経系の発達はこのような速度で成長します。
6歳ころまでに急激に成長し、その後、緩やかながらも12歳ころまでに100%に達しているのがわかります。
緑の線は一般型と呼ばれ、骨や筋肉などの成長は、このような速度で成長します。
3歳ころまでは急速に成長し、その後、やや緩やかになり、13歳ころから18歳ころまで再び急速に成長して、20歳ころに完成します。
武道やスポーツを指導する上では必ず知っておかなければいけない知識ですが、残念ながら、日本の武道やスポーツの指導者の多くはこの事を知らずに指導しています。
かく言う私もスキャモンの成長曲線は小児科医として知っていましたが、これを武道やスポーツの指導に利用するということは、ここ数年でスポーツ医学を改めて学び始めてから知りました。
なぜ、この曲線が重要か?
それは怪我の予防のためでもありますし、効率よく、スポーツや武道に必要な能力を身につけさせるために、適切な時期に適切な稽古やトレーニングをするためです。
東京や横浜などの大都市では様々な習い事があると思いますが、親御さんが子供達の習い事を決める際には是非、これからお話することを知った上で、どんな習い事を子供達にさせるかを決めて欲しいと思います。
12歳ころまでは神経系が発達する時期です。
この時期は筋トレや長距離ランニング等を訓練するのに適した時期ではありません。無理な筋トレや長距離ランニングは怪我の元になり、最悪、スポーツを続けられなくなってしまいます。
サッカーで言えばドリブルなど、基本技術を身に着けていく時期です。
この時期に正しい訓練をすると、所謂、”運動神経”がよくなります。
ところで、”運動神経”が良いって何でしょう?
力が強いことでしょうか?
持久力があり、疲れにくいことでしょうか?
瞬発力があることでしょうか?
心肺機能が強く、スタミナがあることでしょうか?
スピードがあり、速く動ける、速く走れることでしょうか?
それとも身体のバランス感覚が優れていることでしょうか?
体が柔らかく、柔軟性があることでしょうか?
それとも、これをすべて兼ね備えていること?
皆さんの考える”運動神経”が良いとは何でしょう?
私が例に挙げたものは「身体能力が高い」と言い、所謂、”運動神経が良い”とは異なります。
では、”運動神経”が良いとは何でしょう?
”運動神経”が良いとは 、
「脳に入ってきた様々な情報を、脳が瞬時に処理して、体を上手に使える」
ことです。
運動をしていると、脳にはたくさんの情報が入ってきます。
自分に向かってくるボール
ボールが風をきる音
走っているときに肌で感じる風
ジャンプしたときに足の裏に感じる地面の凸凹
バットにボールがあたったときの手や足、体に感じるボールの勢い
舞い上がった土煙の匂い
スライディングしたときに口にはいってしまった土や草の味
誰かに触ったときの肌のぬくもりや汗のベトッとした嫌な感じ
などなど
の脳に入ってくるたくさんの情報を瞬時に判断して、最も合理的、効果的な行動ができるように脳が筋肉へ司令を出して、体を動かします。
これが上手にできることを『”運動神経”が良い』と言います。
そして、神経系が最も発達する時期に武道やスポーツを通して、
色々な種類のたくさんの刺激が脳に入ってきた方が、
子供達の”運動神経”は良くなるのです。
大人になってからではなく、子供だからこそ運動するべきなのです。
子供の頃に運動をせずに運動に対する苦手意識がついてしまうと、大人になっても運動をしません。苦手な事にチャレンジしようという気持ちは、大人になり歳をとればとるほどなくなってきます。
大人になってからの、メタボリック症候群や生活習慣病を予防するために子供の頃からの運動が必要なのです。
最近、e-sports (e-スポーツ)と称して、アジア大会などでゲームの大会をしています。
ゲームでは脳にどれだけの刺激が入ってくるでしょうか?
ゲームではボールが風をきる本物の音は聞こえません
ゲームでは走っているときに肌で風を感じることができません
ゲームではジャンプしたときに足の裏に地面の凸凹は感じません
ゲームではバットにボールがあたったときの手や足つたわる感覚はありません
ゲームではボールの勢い体で感じることができません
ゲームでは舞い上がった土煙の匂いはありません
ゲームではスライディングしても、口にはいってしまった土や草の味は感じられません
ゲームでは誰かに触ったときの肌のぬくもりや汗のベトッとした嫌な感じもありません
ゲームでは脳の一部しか使っていないのです
しつこいようですが、大事なことなので、もう一度言います。
神経系が最も発達する時期に武道やスポーツを通して、
色々な種類のたくさんの刺激が脳に入ってきた方が、
子供達の”運動神経”は良くなるのです。
子供達の体力は私が子供だった40年前と比べて確実に低下しています。
運動をする子と運動しない子で体力が2極化しているとも言われています。
これは様々な調査結果で示されています。
体力が低下した理由は、様々な要因が考えられます。
・ゲーム、ビデオ、インターネットの普及
・交通網の発達
・治安の問題
・都市化で遊び場がなくなった
・我々大人や社会の寛容性が低下した
・塾など、勉強が忙しい、などなど。
いずれにせよ、外で思いっきり体を動かし、暗くなるまで泥んこになりながら遊んでいた時代と異なり、子供達の体を動かす機会が減っています。
体を動かす機会が減っている現代だからこそ、武道やスポーツで体を動かすことが重要になってきているのです。
子供達の体力低下の問題は日本の問題だけではなく、世界中で問題となっています。
そして、世界中の国で1日60分以上の運動を推奨しています。
では、運動すると、どんな良いことがあるのでしょうか?
☆身体能力が高くなる
☆”運動神経”が良くなる
☆ストレス発散できて、いつも笑顔で心もホカホカ
☆健康になる
・体幹を鍛えると便秘が良くなる
・適度な運動は風邪をひきにくくする
・ジャンプなどの重力に逆らうような運動は骨を強くし、骨粗鬆症予防
・生活習慣の予防 などなど
☆友達と仲良くできる力が身につく
・チームワーク
・リーダーシップ
・工夫する力
そして、何より、神経系が最も発達する時期に武道やスポーツを通して、色々な種類のたくさんの刺激が脳に入ってきた方が、
頭が良くなります
さあ、体を動かすことを楽しみましょう!!
(以上、2018年10月14日 済生会横浜市東部病院【市民公開講座】「どうしたらいいの?こどもの肥満」での講演「何故、子供にとって運動は必要か?」より)
では、どんな運動が一番良いのでしょうか?
数ある運動の中から選ぶのは大変でしょう。
習い事としてやるのか?遊びの中でやるのか?
継続するという視点からは、楽しくできるコトが良いでしょう
「色々な種類のたくさんの刺激を脳に入れる」という視点からは、
全身を使った色々な動きをする運動が良いでしょう
子供の特性を理解して、正しい知識に基づいて指導してくれる指導者がいる教室が良いですよね
国際交流が盛んな教室だと、英語の勉強になるので、英語教室、英会話スクールにも興味がある人は一石二鳥ですよね
ときには、非日常の冒険が経験出来たり、
そんな教室があったらいいですよね。
東京や横浜など都市部では、そんな夢のような習い事、夢のような教室はなかなか見つかりませんが、ここ湯河原ならあるんです。
東京から東海道線で約90分、横浜からだと約80分
子供達にとっては、週末が小さな冒険になる習い事
「でも、毎週末に湯河原に通うのは大変」
「他に習い事があるから毎週末、湯河原に通うのは無理」
「湯河原までの交通費もバカにならない」
という方には、
ネットで稽古ができる武道教室があるとしたら・・・
ネットとリアルの融合で楽しく武道を学ぶ
湯河原町躰道協会 一歩会
東京から月1回の通いで、全国大会準優勝した子もいます
毎週通っている湯河原の子の中には全国大会優勝をした子もいます
まずは始めてみましょう